モノづくりの発展を支える
高精度な円筒研削技術
株式会社シギヤ精機製作所
福山から世界に向けて挑戦
福山市で創業112年の歴史を持つ工作機械メーカー。高精度・高品質な円筒研削盤を国内外の業界トップクラスの企業を中心に販売し、実績は累計1万8000台を超える。
織機製造業からスタート
1911年、織機を製造する「オリエンタル織機工業」を創業し、のちに「シギヤ織機工業所」に改称。当時最も需要のあった備後絣とタオルの織機を開発し、数多くの特許や新案も取得した。35年に戦災で工場焼失。焼けた旋盤を修理して使うことから再建が始まり、52年に工作機械製造を計画、58年に「シギヤ精機工業所」に改称して工作機械製造に全面転換、60年に現在の社名に改称。60年以上にわたって円筒研削加工技術を磨き、飽くなき挑戦を続ける。
円筒研削技術で世界へ挑戦 工場増設で生産能力増強
工作機械の中でも円筒研削盤を主力に万能研削盤や専用研削盤などを製作。一台一台がオーダーメードで、顧客の要望通りに設計・製作される。
円筒研削盤は、高速回転する砥石を円筒状の工作物に当て、外周を削る機械だ。自動車や家電、建設機械、ロボット、IT関連など多様な製品に使われる部品の仕上げ加工に用いられる。同社は真円度0.06㍃㍍の精密加工技術を持ち、さらに「真円度0」を目指す。この技術が各種製品の性能向上につながり、幅広い分野で問題解決に貢献しているという。
製品には同社のオンリーワン技術が生きる。大型CNC円筒研削盤GP‐85D・800は、長さ最大8㍍のワークが研削可能で、世界最大級のキャパシティを持つ。マイスターハンドル付CNC円筒研削盤GPHシリーズは、単品加工・量産加工とも対応可能なCNC(コンピューター数値制御)と手動ハンドル操作のハイブリッド研削盤。さまざまな製品ラインアップと技術力で顧客のモノづくりを支えている。
2022年3月には総工費約20億円を投じて本社西側に平屋建て延べ3300平方㍍を増築し、組み立てエリア面積を1・6倍に拡大。受注が好調な大型機の専用スペースを確保し、中間部品の保管場所を設けるなどで生産能力を2割増強した。
グローバルに顧客の発展に貢献
国内5カ所(埼玉、群馬、名古屋、静岡、大阪)に営業所・出張所、海外5カ所(米国・タイ・中国・韓国・台湾)に現地法人を構える。日本市場で鍛えた顧客ニーズへの対応力で、アジア・北米で「精密円筒研削盤のSHIGIYA」のブランドイメージが広く浸透。顧客の3分の1は海外で、現地法人による販売・サービス拠点を構築。ニーズに合わせた製品の提供と、迅速なアフターサービスを可能とした。国内はもとより、世界中の顧客の期待に応えられるグローバル企業を目指している。
人が時代を切り開く
鴫谷社長は「古くて新しい企業を目指し『人を大切にする』、これは創業から守り続けてきた理念です。これからの新時代も人が切り拓きます。AIやIoTによる自動化技術にも挑戦し、お客さまのニーズを先取りし形にできる活力ある企業として今後も躍進したい。22年には新工場の運用を開始。好調な大型機に加え、ロボットや精密加工などの新たな需要を取り込み、お客さまの期待に一層応えていきたい」と話す。
会社概要
株式会社シギヤ精機製作所
本 社:福山市箕島町5378
設 立:1960年11月
資 本 金:1億円
売 上 高:62億4796万円(2023年3月期)
従業員数:288人(2023年3月期)
事業内容:工作機械の設計・製造・販売
T E L:084-954-2961
U R L:https://www.shigiya.co.jp
※2023年9月当時の情報です。