安全靴の老舗メーカー
産業の足元守り100周年

野口ゴム工業株式会社(旧 株式会社ノサックス)

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欧米安全基準をクリアし世界展開へ


 2024年5月に創業100周年を迎えた安全靴の老舗メーカー。24年冬に昔の社名「野口ゴム工業」を復活。大きな節目の年に原点を振り返り、代々続く思いをつないでいく。
 創業は大正13年(1924年)。広島市南区段原日出町に「野口ゴム製造所」を設立。小さな靴工場を開いた。当時、広島は第一次世界大戦の兵たん拠点として栄えており、創業者の野口進さんは作業靴や軍靴を製造することで「軍都広島の発展」を支えてきた。


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 工場、建設現場などで働く人の足に合わせた靴を作る。その信念はぶれることなく、やがて経営を支える根幹となった。「籠に乗る人、担ぐ人。そのまた草鞋を紡ぐ人。われわれは良い草鞋を紡いでいく」。そう覚悟を決め、昭和30年代中頃には、同社が考案した革付きビニール靴「キングクラウン」が大ヒット。日本国有鉄道をはじめ、全国のあらゆる現場で働く人の足元を守ってきた。自社の技術開発だけにとどまることなく、業界の発展にも奔走。同業他社と共に安全靴工業会の発足に参画し規格の制定、安全基準の向上に尽力してきた。1969年には全国で初めて日本ゴム工業会から表彰。西日本最大手の安全靴メーカーへと成長を遂げた。恒裕社長は「一見して非常識なアイデアにも果敢に取り組み、常識をひっくり返す製品を生み出してきた」と振り返る。
 県内初の作業靴キングクラウンは現在も主力製品として活躍し続けている。道路舗装工事用安全靴のHSKは耐熱性を、高所作業用の鳶シリーズは軽量化、履き心地の良さを追い求め、ニッチトップ製品となった。
 最近は枠にとどまらない新製品開発へ挑む。カープとコラボレーションした安全靴や、ガーデニングという新たなマーケットにも進出した。
 2018年には欧州の安全基準認証を受けた安全靴を日本人の足に合わせて開発し、国内メーカーでいち早く販売を始めた。その後も米国基準を取得。21年に本部機能を中区紙屋町に移し、23年ぶりに創業の地へ戻ってきた。野口隆志専務は「過去を踏まえて未来を描く『彰往察来』の言葉を胸に、広島から世界への事業展開を目指します」と話す。



会社概要

野口ゴム工業株式会社(旧 株式会社ノサックス)
本  社:東広島市田口研究団地6-40
設  立:1951年1月(1924年5月)
資 本 金:3000万円
売 上 高:8億9900万円(2023年8月)
従業員数:13人
事業内容:安全靴の製造企画・販売、安全衛生保護具の販売
T E L:082-425-3241
U R L:https://www.noguchirubber.jp/
※2024年9月当時の情報です。