半導体製造装置部品加工に参入
27年ごろ追加投資も計画

広島イーグル

 メカニカルシール製品世界大手のイーグル工業グループで自動車向け部品製造の広島イーグル(山県郡北広島町新氏神6、小松原正行社長)は1月から、半導体製造装置の部品加工に参入した。同社グループは半導体製造装置に使用される磁性流体シールなどを、国内外の半導体製造装置メーカーに提供しており、これまで外製していた工程の一部を広島イーグルが担う。
 本社第一工場内の敷地1万2000平方㍍に、複合加工機、汎用加工機を計4台導入。投資額は約2億4000万円。大気と真空を遮断する磁性流体シールに使う部品を製造する。あらかじめ社員をグループ会社に派遣してトレーニングを行い、2023年9月に設置してからも社内で継続実施。1月から量産を開始した。年間で最大2億円規模の売上高を見込む。グループでは半導体製造装置の部品加工工程の7割を外製。今後、関連装置の需要伸長が予想され、生産体制強化を目的に広島での生産を始めた。同加工機は半導体製造装置の部品以外も加工できる汎用型で、航空宇宙や原子力発電所向けの特殊な部品加工も請け負っていく。
 半導体市場は足元で一服感があるものの、中長期的には人工知能(AI)や情報通信技術の発展などで拡大が予想されており、同社では27年ごろをめどに追加投資を予定する。