中高級路線で国内ベッド市場のシェア高める
「サータ」ブランド進化、コントラクト事業を強化

ドリームベッド株式会社

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 戦後、練兵場跡地の広島第一授産共同作業場で始めた奉仕事業で得たベッドやマットレスの修理技術がベッド製造業の起業につながった。
 国内でライセンス生産し、好調が続く米国ベッドブランド「サータ」。全米シェア7年連続1位だが、提携40年の2019年春、認知度を高めるためブランドの進化に乗り出した。メーカーとして品質を重視し支持層を広げてきた。さらにブランド志向の消費者層にも訴求しようと、Web媒体を軸にさまざまな手法でダイレクトに働き掛ける構え。中高級路線を標ぼうする中、サータの新たなブランドイメージ確立~新規顧客開拓のプロジェクトを推し進める。
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シェアアップへブランドを進化

 サータのブランドの進化はマーケティングに基づいて進め、ターゲット層に着実にアプローチ。寝心地や品質を訴えるだけでは、シェアは頭打ちとなる。スマートフォンなどの普及を背景に、ステータスを感じられるブランド力を育て発信することで品質に付加価値を加え、購買意欲を引き出す狙い。国産をアピールし、ベッドブランドといえば、「サータ」と言われる認知度を目指す。
 ベッド業界は住宅着工減の影響などから全国的に伸び悩み、マットレスは中国などからの海外輸入が増え、国内生産は全体の16%に縮小。少子化などで一般ベッド市場の伸びは今後も期待できない。引き続き中高級路線でサータのブランドの進化を強力に推し進め、国内生産の市場シェアを高める戦略だ。

全国的に活況なホテル建設

 19年3月期決算で前期比14%増の売上高102億円強を計上。グループ会社統合の03年以降、初の100億円超えとなった。全体売り上げの最大比率を占めるサータに加え、全国的なホテル建設ラッシュで、宿泊施設向けのコントラクト事業も新規受注が大幅に拡大。ハワイのラグジュアリーホテルの世界2号店として7月開業した「ハレクラニ沖縄」にサータが採用されるなど、今後も宿泊業界の需要は伸びるとみる。
 広島も新設ホテルの案件が相次ぐが、競合も激しい。市内には、22年開業予定の米ヒルトンホテルや25年開業を目指し建て替える広島駅ビルなど約10案件が控える。全国政令指定都市圏も同様のビジネスチャンスを狙う。向こう数年は需要が見込める市場としコントラクト部門に経営資源を投入する方針だ。

2020年上場目指す

 サータのほか仏・ロゼ社のソファ、独・ルフ社のファブリックベッドなど海外有名ブランドをライセンス生産。技術力に磨きをかけてきた。一方で、工場の設備増強を図り生産の効率化を進めて職人の技と自動化を融合させ、生産性向上と働き方改革の両輪で競争力を高める。
 ここ数年で上場への事業体制を整備。上場予定直前の19年度から上場後の21年度までの中期3ヵ年経営計画をスタートした。サータのブランドの進化とコントラクト部門の営業強化を軸に成長戦略を描く。住宅メーカー向け営業も好調に推移している。〝夢をはぐくむひとりひとりに快適で美しいくらしを提供〟する「空環創造宣言」を企業理念に、小出克己社長は、「ブランドの進化も上場も理念を実現する手段。自らが考え行動できる人と一緒に成長していきたい」

会社概要

ドリームベッド株式会社
本社:広島市西区己斐本町3-12-39
設立:1957年1月(創業1950年)
資本金:9100万円
売上高:102億5000万円(2019年3月期)
従業員数:430人(パート含む、19年3月末現在)
事業内容:ベッド・リビングソファ・インテリア用品の製造、販売
T E L:082-271-4201
U R L:http://dreambed.jp

※2019年8月当時の情報です。