コンセック 切断穿孔、耐震工事を強化
付帯工事の一括受注体制構築へ
株式会社コンセック
建設向けダイヤモンド工具メーカーで大手のコンセック(西区商工センター、福田多喜二社長)は、コンクリート構造物の切断・穿孔や耐震補強などの特殊工事事業の受注力強化を図る。施工に関するはつり、足場の組み立て、重機を使った切断物の搬出など切断穿孔工事に付帯する工事を一括受注できる体制の構築ほか、受注エリアの拡大やM&Aなども積極化し、部門売上高は2030年3月期で25年同期比約38%増となる22億6000万円を目指す。
5月14日に公表した29年度までの中期経営計画に盛り込んだ。社会資本ストックの増加を背景に公共工事を中心とした修繕維持工事市場は拡大傾向にあり、これを成長機会と位置付ける。一方、インフラの修繕維持工事の元請先は同社が得意とする切断穿孔工事以外の管理領域を含めた発注が多く、今期は受注案件が減少した。これを踏まえ、人材育成強化やM&Aなどで、施工管理領域を付帯工事にまで拡大する。既に23年に土木工事や舗装工事などの丸金建設(倉敷市)を子会社化しており、グループ内の技術交流や相互支援体制を充実させた。施工管理技士の資格取得を推進するほか、施工計画・工法の提案力を高めることで競争力の強化を図る。
建設向けダイヤモンド工具のメーカー部門「発研」では既存市場の深掘りを目指し、主力製品のリニューアルや新商品の投入などを進める。海外展示会の視察や顧客面談などのニーズ調査をはじめ研究開発人員の増員などを行い、新規市場の製品開発にも力を入れる。CO2排出量の22年度比で46%削減や、女性管理職比率を10%以上とする非財務目標も掲げた。30年3月期の連結売上高は25年同期比で12・6%増となる116億円を狙う。
「広島経済レポート」2025年5月29日号掲載記事より