日本の酒に特化し、新たな需要と付加価値を創造
コラボ&アライアンスで酒業界の活性化に貢献

株式会社酒商山田

動画をリクエストする

 「日本の酒の伝道師」をミッションに、全国各地の魅力ある日本酒を掘り起し、純米酒や純米吟醸酒などの特定名称酒に特化する戦略で付加価値を創出。縮小するマーケットに〝逆転の発想〟で挑み、新たな需要を生み出している。
 2018年秋、広島市内中心部にお酒が楽しめるスペース「山カフェ」を併設したセレクトショップの八丁堀店をオープン。これで直営店は、焼酎やワインも含め4000種をそろえる宇品本店、〝サロン〟を標ぼうする幟町店、JR広島駅南口のエディオン蔦屋家電店の計4店に。立地の特性を生かした店づくりに工夫し、日本酒の魅力を発信する。
  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3
  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3

新たな酒屋像に挑戦

 山田淳仁社長が掲げる〝戦わない〟独自の経営哲学は異業種からも注目され、着実に業績を伸ばしている。家族経営の酒屋で主な取引先は地元や船会社だったが、承継した1990年から〝小さな造り手〟の国産の酒に特化した戦略を本格化。2015年から事業コンセプト「コラボレーション&アライアンス」の下、日本酒業界の活性化へ次々と新機軸を打ち出している。酒類の卸免許も取得。酒蔵と酒販店を支援する日本の酒シリーズ「コンセプトワーカーズ・セレクション」(CSW)は、東北~九州の20蔵の酒を商品化、販売先の酒販店は北海道~九州の90店に及ぶ。農業や流通も巻き込んだビジネスモデルの構想を描く。
 酒のプロフェッショナル集団を目指し、クラフトビールやスイーツ、ワイン樽で熟成する新感覚の日本酒づくり「風土ラボ」など、低迷する酒業界に新風を吹き込む。

次流の創造

 業界の非常識への挑戦と新機軸戦略が実ってきた。19年夏には本店横に、倉庫を増設。新商品開発やCWSなどのホールセール事業強化へ新規事業部も立ち上げ、19年度売上高は過去最高の12億7000万円を見込む。国産特化にかじを切った当時の8倍強になる。2021年に創業90周年を迎える。「需要と付加価値を生む次流を創造し、世界に誇る日本酒を海外へも広めていく」。ミッションが山田社長の原動力だ。

会社概要

株式会社酒商山田
本 社: 広島市南区宇品海岸2-10-7
設 立:2004年7月(創業1931年)
資本金:1000万円
売上高:10億5680万円(2019年3月期)
従業員数:37人
事業内容:日本の酒に特化した酒類販売
T E L:082-251-1013
U R L:http://www.sake-japan.jp/

※2019年8月当時の情報です。