広島から海外市場への橋渡し
企業の個別課題の解決へ

ひろしま産業振興機構

広島県内の企業の国際ビジネスを支援し、産業のグローバル化と発展を目指す「ひろしま産業振興機構国際ビジネス支援センター」。幅広い業種の企業が会員登録しており、同センターの支援が地元企業の可能性を広げ、海外市場への道を切り開く重要な役割を果たしている。同センターの長谷川充常務理事に取り組みの狙いや展望を聞いた。

ひろしま産業振興機構 国際ビジネス支援センター 長谷川 充 常務理事

当センターでは、世界8カ国に駐在するビジネスサポーターを通じ、海外進出の足掛かりを提供しています。企業が具体的な計画を持っていない段階でも相談に応じています。また、県内企業との意見交換会を実施して交流を深め、どういう課題を持たれているかをヒアリングし、具体的な支援を検討。企業の課題に応じた個別支援に力を入れています。

香港と広島、インバウンド増と輸出促進の好循環 昨年11月から広島―香港間の定期路線の運航が再開され、広島空港の国際定期路線は6路線まで復活するなど、インバウンドへの期待が大きくなっています。これにより、地元広島の観光スポットや食文化をより多くの外国人観光客に紹介する機会が広がります。県内の食品・農林水産物関連企業などにおいては、新たに海外での販路拡大を目指す動きも見受けられ、インバウンド増を契機とした海外支援のための取り組みをこの1~3月で集中的に実施。3月10日にはセミナー「訪日インバウンドで深化する広島と香港~インバウンド増大と輸出促進の好循環について~」を予定。インバウンド戦略研究所の清水泰正代表を招き、香港からの観光客のニーズを的確に捉え、インバウンドと輸出促進の好循環を実現する方策などを話してもらいます。

また、セミナー後は県内食品企業など7社とバイヤーの実際の商談会を計画。これまではプロダクトアウト型で、メーカーがつくったものを現地商社やバイヤーにぶつけて商談をアレンジしていたのですが、現地のニーズと合っておらず、なかなか成約に至らなかった。それを受けて、今年度からは市場のニーズに合わせたマーケットイン型の商品を提案したいと思い、われわれで商品カタログを作成。商社やバイヤーに商品を選んでもらい、興味関心の高い企業との商談を行っていただくことで、成約率も高まるのではないかと期待しています。
個別相談会もあるので、海外進出に向けた小さな疑問からでもご相談いただきたいですね。

課題解決志向の支援体制へ 「海外ビジネスパートナー」として登録された専門家が企業課題を抽出し、解決に向けてコンサルティングを行うなどの取り組みも始めています。次回以降にご紹介していきます。

■ 公益財団法人 ひろしま産業振興機構 国際ビジネス支援センター 会員数:269
県内企業の国際ビジネスを総合的に支援することで、県内産業のグローバル化を促進し、県内産業の発展を図っている。
〒730-0052 広島市中区千田町3-7-47 広島県情報プラザ内
TEL:082-248-1400

「広島経済レポート」2025年2月6日号掲載記事より