企業の人材採用力向上へ
フォローやPRの大切さ説く

広島県

 さまざま業種が未曽有の人手不足に直面する中、広島県は1月に企業向けの人材採用力向上セミナーを広島、福山、東広島市で開いた。計225社266人の経営者や人事担当者が参加。

 民間大手の就職ナビの掲載企業は現在6万8000社と推計され、2016年に比べ3万社増と2倍近くに。講師を務めた採用コンサルティング業のLHRの吉田真社長は、
「昨今の採用活動のキーワードは“スピード感”と“丁寧さ”。求職者へのフォローを早く丁寧に行うことで、企業側と求職者の互いの理解を深められます。入社意欲も高められ、内定辞退の抑止につながるはず」

 売り手市場の中、面接はもはや求職者が会社を選ぶ場に様変わりしているようだ。先輩社員の失敗談を伝え、入社後の不安を和らげて好印象を与える方法など、すぐに使えるノウハウも紹介した。 

 広島経済レポート発行元で、書籍『ひろしま業界地図』、webサイト『ひろしま企業図鑑』などを通じた採用支援を行う、広島経済研究所の梶原恭平取締役も登壇。記者の経験を基に、求職者への自社PR、情報整理方法などを話した。
「規模に関わらず、それぞれの企業に独自の魅力がある。それを洗い出し、整理し、求職者に分かりやすく伝えることが大切。弱みも含めて実態を伝えることが、入社後のミスマッチの防止につながる」

 県内雇用情勢の改善や少子高齢化による労働力人口の減少も相まって、人材の確保が困難な状況が続いており、その傾向は、企業の魅力を発信する採用広報力や採用スキルが不足する中小・中堅企業で顕著となっている。こうしたことから広島県では、企業の魅力を効果的に情報発信する方法など、人材採用のノウハウを集約したガイドブックを作成した。

 広島県発行 人材採用力向上ガイドブックを下記からダウンロードできます。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/68/2019saiyo-guidebook.html

講師プロフィル

吉田 真 氏

株式会社LHR代表取締役。外資系総合人材サービス会社にて社会人のキャリアをスタート。2012年に個人事業主として創業し、地元企業向けの採用支援、大学生向けの就職支援、大学等での就職・キャリアに関する講師を担当。2015年に株式会社LHRを設立し、地元企業の人材(新卒・中途)採用・育成・定着支援を行う中での事例を含めた採用活動を解説します。

梶原恭平 氏

株式会社広島経済研究所取締役。株式会社広島経済研究所が発行する経済誌「広島経済レポート」の記者を務め、広島県内企業への取材を行っている。取材を通して県内の経済情報に精通し、企業の動向にも詳しい。記者の視点から、企業情報を効果的に発信するためのノウハウを解説します。