《広島》変貌を遂げる広島市街地 再開発・大型プロジェクト その①

22年の地域経済① 広島経済レポート

 中区紙屋町・八丁堀地区の一帯で大型再開発の動きが活発だ。市営基町駐車場や本通商店街、サッカースタジアムを含む中央公園広場などで計画が相次ぐ。2018年に同地区は民間の再開発を促す国の「都市再生緊急整備地域」に指定された。20年9月にはその一部区域がより手厚い税制優遇などを受けられる「特定地域」に格上げされ、一層機運が高まっている。にぎわい創出や都市機能の拡充に向け、一帯はこれから大きく様変わりする。

【 ① 基町駐車場一帯 】

 市営基町駐車場・駐輪場一帯では複合ビルを建設する計画が進む。事業区域は駐車場を中心に西隣の中電基町ビル、道路を挟んで南側の広島朝日ビル跡地(現在は平面駐車場)の約1㌶。
 広島市と広島商工会議所は21年8月、基町駐車場(地下の駐輪場部分除く)と商議所ビルを財産交換した。それに伴い、商議所が同再開発計画に参画し、地権者は市、中国電力ネットワーク、朝日新聞社、朝日ビルディングと合わせて5者となった。独立行政法人都市再生機構(UR)がコーディネーターを務め、8月に6者で事業の推進に基本合意した。
 高層棟、変電所棟、市営駐輪場棟の3棟を建設。高層棟は地上31階、地下1階建て。上層階にホテル、中層階に事務所、低層階に商議所や店舗、駐車場を設置。良質なホテルの整備で国内外からの観光・ビジネス客の来訪を見据えるほか、経済団体、商工団体、産業支援機関などを集約し、地域経済を支える官民連携拠点の構築を目指す。22~23年度に着工し、27年度の完成を目指す。地上5階建ての変電所棟も27年度に完成予定。市営駐輪場棟は地上5階、地下1階で、29年度の完成を見込む。
 その北側に位置する広島YMCA周辺では、既存のビル群を取り壊して高層ビル3棟を建設する計画が持ち上がっている。

広島経済レポート2022年新春号掲載記事