保育施設運営のくうねあ 東京のシッター会社をM&A
首都圏でイベント保育も開拓へ

株式会社くうねあ

 保育施設運営などを手掛ける、くうねあ(安佐南区祇園4-7-3、堀江宗巨社長)は8月26日付で、東京のベビーシッター会社「(株)パリオ」の全株式を取得し、事業を引き継いだ。共働き世帯などの増加でベビーシッター市場は伸び続けており、中でも東京は都からの補助が厚く、大きな市場となっている。M&Aによって東京進出し、2030年までにパリオの売上高1億円を目指す。
 同社の現在の売上高は3000万円規模。資本金200万円。シッター約80人が在籍し、常時20人程度が稼働しており、文京区や中央区、港区などのエリアで利用者が多い。東京都はベビーシッターの一時利用で1時間当たり2500円が補助され、年間144時間(36万円分)が補助対象となる。同社は、このベビーシッター利用支援事業の補助事業者として認定されているほか、利用代金の消費税が非課税の対象事業者となっているため、利用者が右肩上がりで増えているという。これまで創業者1人で事業運営していたが、事業引き継ぎに伴って創業者は退任し、堀江社長が代表を兼務する。正社員とパート職を各1人採用し、事務所を千代田区神保町の貸しオフィスに設けた。
 くうねあは、広島で保育施設の運営のほか、ベビーシッターや家事代行を手掛ける。遠隔で東京案件の事務処理などを行い、シッターの稼働率を上げる。加えて、広島では学会などでのイベント保育も毎月3件程度受けており、このノウハウを生かして東京でも応じていく方針。今後3年以内に東京で保育施設を検討。保育士の確保や、既存従業員の異動希望などに応えられる体制にしたいという。

「広島経済レポート」2024年8月29日号掲載記事より