DeNAグループでシナジー発揮へ
健康寿命延伸、医療費のPBゼロ目指す

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データヘルスとデータ利活用を推進

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 2022年10月、インターネットサービス大手ディー・エヌ・エー(DeNA)から DeSCヘルスケア(DeSC)の株式を取得し、連結子会社化した。新体制を機に医療ビッグデータの利活用事業を加速させる構えだ。少子高齢化が急速に進む中、堅調なデータヘルス関連サービスと共に、健康寿命の延伸と医療費のプライマリーバランス(PB)ゼロの実現を目指す。

データ利活用拡大へ

 連結子会社化に先駆け20年4月、DeNAの子会社DeSCとデータヘルス関連事業で業務提携。DeNAと資本業務提携を経て22年8月に同社の連結子会社になった。DeSCはヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」など、日常生活の中で楽しみながら健康増進を促進するサービスや、その運用に基づくデータを利活用したヘルスケア事業に強みを持つ。健康保険組合向けを主力に自治体等へも導入。
 一方、データホライゾン(DH)は国の成長戦略の一つに挙げられる「データヘルス」計画を推進するパイオニア。レセプト(診療報酬明細書)と健診等のデータを基にPDCAサイクルによる効果的・効率的な保健事業を、主に自治体や後期高齢者医療広域連合へ導入。営業体制を強化し、計画に基づくサービスメニューのバリエーションを増やして自治体ごとの要望に応じ、ここ数年で47都道府県全てに導入が進んだ。
 両社がタッグを組むことで相互に強みを生かした営業活動を展開すると同時に、データベースを統合。これによって、主に現役世代が加入する健保組合から自治体・後期高齢者医療広域連合までの全世代をカバーする医療保険者データベースの利活用ができるようになった。

協業に手応え

 協業によるデータの利活用事業は順調に伸び、23 年6月期第3四半期には7億円に迫る売り上げ規模になった。全世代をカバーするデータベースの構築と公益性のある利活用を促進することで、健康課題の解決スピードを上げていく狙いだ。
 これら事業発展の起点は、DHの内海社長がレセプトデータに着目した経営視点にある。独自の特許技術「医療費グルーピング技術」を開発して保健事業に活用できるデータに生まれ変わらせ、精度の高い医療費分析に基づく保健事業計画の立案(P)、効果測定(C)、改善計画策定(A)を可能にしたほか、「糖尿病性腎症重症化予防指導事業」を展開。透析移行を予防する保健指導を行う(D)。
 糖尿病性腎症は統計を取り始めた1983年以降増加を辿ったが、医療費グルーピング技術で抽出した対象者に同指導事業を始めた2010年度以降、新規人工透析導入患者数は減少に転じている。成果を確信に、協業を生かし、未病の領域にもデータベースが貢献する可能性を探っていく構えだ。

医療ビッグデータに期待

 水は高い所から低い所へ流れる原理原則があるように事業経営も外してはいけない原理原則がある。これを実践していくうちに〝出会い〟の運も引き寄せたと内海社長。DeNAとの提携も、必然的な出会いだった。世の中が何を望んでいるのか。時代の要請を読み取り、事業に落とし込む。医療ビッグデータの公益性のある利活用を通じて、医療費の適正化と国民のQOL向上に貢献し続けることを目指している。



会社概要

株式会社データホライゾン
本  社:広島市西区草津新町1-21-35 広島ミクシス・ビル
設  立:1982年3月
資 本 金:4億5660万円
売 上 高:29億9000万円(2022年6月期実績/連結)
従業員数:281人
事業内容:医療関連情報サービスの開発及び提供
T E L:082-279-5550
U R L:http://www.dhorizon.co.jp/
※2023年9月当時の情報です。