広島駅ビル建替えプロジェクトいよいよ始動
2025年春開業へ、新たなにぎわいを創出

中国SC開発株式会

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 広島駅ビル建替え計画が本格的に動き出した。2020年3月末に現駅ビル「アッセ」を閉館後、工事に着手、25年春開業を目指す。1965年開業のアッセは50年以上にわたる営業に幕を下ろし、ショッピングセンター、ホテル、シネマコンプレックスの複合施設に生まれ変わる。路面電車が乗り入れ、駅改札とフラットにつながり、商業施設と一体となった従来にない空間を創出。広島の表玄関にふさわしい新駅ビル誕生を契機に新たなまちづくりが始まる。
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活性化の起爆剤を標ぼう

 新駅ビルの概要は地上20階地下1階延床面積11万平方㍍強に及ぶ。売り場2万5000平方㍍のショッピングセンターやシネマコンプレックス、客室400室規模のJR西日本ホテルズの新規ブランド「ホテルヴィスキオ」を導入。約500台収容の直結駐車場に加え、約400台の別棟も計画する。
 JR広島駅は1日約15万人が乗降する。周辺は話題の商業施設や高層マンションが集積。マツダスタジアムも近い。今後も新たなオフィスビルの完成が待たれる。駅ビル建替えは都心のビッグプロジェクトとして、広島のまちづくりに新風を吹き込むはずだ。藤岡秀樹社長は、「広島経済を盛り上げる起爆剤となるよう、まち全体のプラス効果を高めていきたい」と意気込む。駅南口広場とバスターミナルの再整備も進み、交通結節機能と回遊性はさらに高まっていくと予測される。建替えに先行する駅ナカ商業施設「ekie」で集客力が増した。新駅ビル開業で商圏はさらに拡大する見通しだ。

新たな集客生む

 ekieは17年10月末の第1期から段階的にオープン。19年10月の4期は、旧新幹線名店街2400平方㍍にスーパーやデリカテッセンなど食品中心に30超のテナントを導入。これで駅ナカ約1万400平方㍍に雑貨やファッション関連、中四国最大級の土産売り場や飲食店など約130店がそろう。「駅南北自由通路の開通(17年5月)で回遊性が生まれ、駅周辺の再開発とも相まってekieオープン来、想定以上に好調に推移している。駅利用者の利便性向上だけでなく、沿線の住民やオフィスで働く人などを集め、広島駅乗降客はオープン以降伸びている。鉄道とのシナジー効果は大きい」と藤岡社長。
 19年3月期のSC(テナント)売り上げは、ekie開業効果で大幅に伸びた。新駅ビルで広島駅地域のポテンシャルがさらに期待される。

駅から街づくりへ

 目指しているのは、「発見があり、わざわざ足を運んでもらえる駅」。ECの利用が進む中で、リアル店舗が集積する商業空間を楽しんでもらえるよう、仕掛けやコンテンツに工夫を凝らしていく。訪日外国人客も増加しており、お好み焼きの体験教室などコト消費へも訴求する構え。
 紙屋町・八丁堀地区が都市再生緊急整備地域に指定され、広島県や広島市は民間の開発機運を高めようと働き掛けていく。引き続き、関係機関と連携を図りながら広島市が構想する楕円形の都心づくりと呼応し、「駅~広島市内中心部をつなぐ〝広島の新しい目抜き通り〟を目指す」と藤岡社長。広島の経済発展の一翼を担う決意だ。

会社概要

中国SC開発株式会社
本 社:広島市南区松原町2-37
設 立:1963年9月12日
資本金:7500万円
売上高:288億円(2019年3月期 SC総売上高)
従業員数:68人
事業内容:ショッピングセンターの開発・管理運営
T E L:082-506-2556
F A X:082-506-2559

※2019年8月当時の情報です。