地域に根ざすグローバル企業
業界に先駆け、次世代型船舶に注力

常石造船株式会社

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未来の価値を、いまつくる。


 海運や商社・エネルギー、環境、ライフ&リゾートなど、国内23、海外20社の連結対象を持つ常石グループの中核企業。1917年の創業以来、一世紀以上にわたって造船業に従事し、安全で高品質な船舶を提供することで世界経済の発展に貢献してきた。2015年以降、三保造船所や神田ドック、三井E&S造船などをグループ化。国内造船セグメント11社で協力し、質の高いサービスを提供する。地域に根ざすグローバル企業として、24年からはマツダスタジアムとエディオンピースウイング広島に看板広告を出稿し、地元プロスポーツを応援している。

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技術力で業界をリード

 新時代を切り開く二大要素とも言われるグリーンテクノロジーとDX。常石造船は業界に先駆けて次世代型への転換に取り組んでいる。環境面ではグリーンメタノール燃料船の研究にいち早く着手し、23年1月に世界初のメタノール燃料ばら積み貨物船の受注を獲得。同年6月には、35年までに全ての建造船を重油専焼からデュアル・フューエル(二元燃料)船にすること、50年までにカーボンニュートラルの実現を宣言した。
 デジタル化による性能改善にも着手しており、船型開発には高度な流体解析を活用。設計から生産までを3D-CADを中心に行う。運航中の船舶モニタリング・修繕履歴の可視化で、複雑化する保守・運航もデジタルでサポート。船舶のライフタイムバリューの維持・向上に役立てている。さらには、人事システムと連携した顔認証勤怠管理を導入するなど、業務効率化にも力を入れる。

グローバルな建造体制

 ばら積み貨物船を主軸に、コンテナ運搬船やタンカーなど多様な市場ニーズに対応。中でも400隻の竣工を達成したベストセラー、載貨重量8万2000㌧級のばら積み貨物船「カムサマックス」は、業界標準として呼称されるほど認知され、同カテゴリーで世界トップシェアを誇る。コスト力や為替変動への耐性という競争優位のカギを握るのは、国内外の拠点で同一品質の船を提供するグローバルな建造体制だ。
 1990年代にフィリピンに進出し、業界で成功例のなかった海外での建造体制を軌道に乗せ、その後の中国進出の礎を構築。2023年の竣工量ランキングは世界12位・国内3位で、9割以上を海外工場で建造している。現在も海外に拠点を持つ国内造船会社は極めて少ないが、さらなる海外拠点の拡充も検討。国内人口が減る中で労働力を確保し、持続的な成長につなげる狙いがある。

社員の幸せを追求

 小さな町で木造船をつくることからスタートした同社が世界の舞台で事業を営むまでに成長できた背景には、「常に人を大切にする」という創業当初からの理念がある。年間休日124日を確保するなど、業界に先んじて働き方改革に着手。有休や育休が取りやすい環境の整備に向け、管理職も積極的に休日取得するよう心掛けているという。23年の有休取得率は83.3%、育休からの復帰率は100%で、共に全国平均より高い数値を維持している。階層別の研修制度や自己啓発支援のほか、ラウンジやテラス、トレーニングルーム付きの独身寮、社宅もあり、社員の幸せのために働きやすさと働きがいの両輪を追求している。



会社概要

常石造船株式会社
本  社:福山市沼隈町常石1083
設  立:2011年1月(創業:1917年7月)
資 本 金:1億円
売 上 高:2362億円(2023年度・連結)
従業員数:4330人(2023年度・連結)
事業内容:船舶の建造・修繕
T E L:084-987-1101
U R L:https://www.tsuneishi.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。