データヘルスを生活保護分野へ
福祉事務所向け全国展開
データホライゾン
医療関連情報サービスのデータホライゾン(西区草津新町1-21-35、内海良夫社長)は、医療扶助適正化と生活保護受給者への健康管理を支援するサービスを本格化する。国民健康保険向けに実績を挙げるデータヘルス関連サービスを自治体の生活保護担当部署向けに横展開。レセプト(診療報酬明細書)データ分析技術を強みに、生活保護受給者の自立的な健康保持および増進を支援する取り組みを後押しする。
生活保護受給者は200万人以上で、国全体の生活保護費負担は3兆8000億円を超え、その約半分が医療扶助。多くの生活保護受給者は国保によるデータヘルスの対象となっていないが、健康上の課題を抱えていると考えられ、医療と生活の両面から健康管理に対する支援が求められている。
2018年成立の改正生活保護法により、21年から「被保護者健康管理支援事業」が施行される。この事業は医療保険におけるデータヘルスを参考に、福祉事務所がデータに基づき行う被保護者の生活習慣病の発症予防や重症化予防などを推進するのが狙い。21年から全ての福祉事務所で実施が義務付けられる。そのため施行前の19年度から試行事業・準備事業の積極的な実施が求められており、約37億円の予算が計上された。
同社は、医療関連データベースの蓄積・分析技術で独自のビジネスモデルを構築。レセプトデータの分析力で高い評価を得ている。レセプト・健診データの分析に基づきPDCAサイクルで効率的・効果的に行う、保健事業のデータヘルス関連の国保向け受注実績は、3月時点で381保険者に上る。需要増が見込まれる生活保護向けデータヘルスは、「生活保護システム」導入実績全国一の北日本コンピューターサービス(秋田市)と連携して営業展開し、同社ユーザーを主体に生活保護向けデータヘルス事業の受注獲得を目指す。
データヘルスやポリファーマシー対策需要の高まりを受け、20年6月期連結売上高は前期比23・2%増の27億8000万円を予想。