広島お好み焼を世界へ
米国展開が好調で出店加速
株式会社ケーツーエス
ちんちくりんブランドを拡大
「広島のお好み焼を全国へ、世界へ」という夢を掲げ、お好み焼店「ちんちくりん」を中心に国内外で14店を展開するケーツーエス。米国展開が好調で、2024年6月期の海外売上高は前年比16%増の7億5400万円を見込む。直営店の来客が増えているほか、店舗デザイン受託や鉄板販売が伸びている。24年秋にはテキサス州ダラスでライセンス契約したちんちくりん店をオープンし、25年は10億円を目指す。
米ロサンゼルス直営店 お好み焼人気で来客増
米ロサンゼルスの直営「リトル・トーキョー」店は現地でのお好み焼人気に加え、近隣ホテルにメジャーリーガーの大谷翔平選手の壁画が描かれたことで来店増につながった。年商4億5000万円を見込む。
米テキサス州で出店
ダラスでの出店は、現地で薬局などを経営するオーナーと、エリア出店に関するライセンスを契約。現地オーナーが新会社「ちんちくりんLLCテキサス」を設立しており、第一号店を24年9月26日にプレオープンし、10月10日にグランドオープン。店舗面積150平方㍍に60席。メニューの柱はお好み焼、つけ麺、汁なし担々麺で、レシピなどのノウハウを提供。オリジナルの麺やソースも供給する。初年度の店舗売上高見込みは1億5000万円。今後5年以内にダラスで3~5店の出店を計画する。今後もライセンス販売を広げ、全米展開を目指す。
13年に米国進出して10年を超えた。コロナ禍が落ち着き、海外での出店攻勢を強めたい考えだ。
現地の直営店は最新厨房機器のショールームとしても活用しており、これを見た現地の飲食業者などから店舗設計の引き合いが多いという。川上博章社長は「米国人やアジア系の人たちにお好み焼に興味を持って、現地でお好み焼店を開業してもらいたい」と話す。
飲食店の海外進出支援 店舗デザインなどに力
ケーツーエスは業務用鉄板機器の製造・販売では、トップシェアを誇る。また、店舗設計・デザインも手掛け、開業から業態変更をトータルでサポートする。
米国での店舗デザイン受託では国内大手飲食チェーンが現地出店する際の内外装や厨房設計を手掛ける。鉄板販売は、全米展開するパンケーキ店の出店加速に合わせて導入が増えている。
「ちんちくりんは5坪8席の小さな店舗で1999年にスタートしました。当時広島には約1800店のお好み焼店がありましたが、最近は1200店まで減ったと聞きます。その背景には、お好み焼店運営の難しさや、焼き手の高齢化などがあります。当社がFC展開によるビジネスモデルを構築し、広島お好み焼きの文化を守り、日本国内だけではなく、世界中に広めたい」と意気込む。
国内も回復基調で推移
国内はコロナ後の来客が回復基調。主力のちんちくりんでは、日本人や海外の観光客が多くを占める店舗も増えてきた。ちんちくりん宮島口店では欧米やアジア圏からも団体の予約が増加傾向にある。ベジタリアンやハラールなどのさまざまな宗教や食の趣向に合わせたお好み焼の提供を継続していく。
会社概要
株式会社ケーツーエス
本 社:広島市安佐南区伴南5-5-20
設 立:2005年3月
資 本 金:3200万円
売 上 高:11億3000万円(2023年2月期)
従業員数:136人(アルバイト含む)
事業内容:飲食店(お好み焼など)の経営、業務用鉄板商品開発販売、厨房設備機器の製造販売
T E L:082-555-2130
U R L:http://www.k-2-s.jp/
※2024年9月当時の情報です。