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株式会社ポップジャパン

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ポップジャパン
代表取締役 熊本 卓司

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プロフィール

広島瀬戸内高卒。食品会社を経て、1981年にポップヒロシマ(現ポップジャパン)に入社。83年に取締役に就任し、2004年から現職。1963年4月10日生まれ、広島市出身。

 広島の学生が県内企業の経営者に「働く」をテーマにインタビューした。今回はポップジャパンの熊本卓司社長。のぼり、旗、幕の製造販売で国内トップクラスのシェアを誇り、最近ではカープ公認のタイツなども開発。さらなる飛躍へ挑戦をする熊本社長に「働く」ことへの思いを聞いた。
 全国に1200社の取引先を持つようですね。
 どこも信頼によって成り立っています。1974年に創業し、丁寧で迅速な仕事を徹底。クレーム対応にも前向きに取り組むことで良い関係を築いています。以前、トラブルが発生してお客さまのところへ謝罪に行きました。創業来の長いお付き合いをしていただいている取引先で、発生当初は怒ることなく、先方の社長は「遠いから来なくていい」とおっしゃっていました。しかし、誤ったことをしたら、何を放ってでもすぐに謝りに行くことが筋。飛んで行きました。お客さまに怒られるたびに成長します。後から反省することも、しばしばですが、その時には改めて「謙虚・素直」の言葉を自分自身に言い聞かせ、その後のフォローを心掛けています。
 また、高速道路や新幹線がまだ通っていない頃、全国各地に足を運ぶことで熱意が伝わり、今でも長いお付き合いをさせていただいています。愚直にアナログなことを続けることが大切。何事も会って話すのが一番で、社員へは電話やメールよりも、直接会って相手の表情を見ながら、誠心誠意対応するように伝えています。 写真2
―これまでで大変だったことや、苦労したことは何ですか。
 ポップジャパンに入る前の食品会社での話ですが、先方に相手にしてもらえず、困難を極めました。ですが、その人に会うたびにまずはあいさつをして、小さな手伝いをすることから始めました。例えば、商品を並べる陳列ケースが汚れていることに気付き、その棚の商品を全て除けてきれいに洗い、商品を並べ直して帰ったのですが、そのことを見てくれており、信頼を獲得。次の取引から「熊本じゃないとだめだ」と言われるまでになり、うれしかったですね。どんな状況でも、諦めないことです。
 もう1つは、お客さんに間違った商品を送ってしまったことです。室内装飾用の旗物タペストリーを全国展開している企業の各店に2本ずつ納品したのですが、色が違う、と。話し合いの結果、商品を納品翌日の午前7時までに取り替えてくれという話になりました。人海戦術で6人の社員と全国を走り回り、店舗のある福島、静岡、長野、福岡県、大阪府に指定時間までに届け終えました。当初は怒られましたが、届け終えた後は感謝され、ホッとしましたね。
―その経験をどう生かしましたか。
 他の企業なら諦めてしまうようなミスを自分たちが犯してしまったとしても、相手のことを思い最後までやりきること。取引をする上で人の好き嫌いに付き合うのではなく、誰に話を通せばうまくいくのかを常に考えること。仕事に対して「やってやった」ではなく、「やらせていただいた」という姿勢。そして、細かなことへの気配り。そのような姿勢でお客さんからの信頼を頂き、また次の仕事を任せてもらうときに励みになっています。
―現在の目標は。
 今の目標は2つ。1つ目は新商品の開発。既に社員からの発案でカープ公認「カープタイツ」や、「カープ健康ベルト」が発売されています。目標達成に向けて最近では、マーケティング部門の新設やデザイナーの人員体制を見直し、企画、制作力を強化しています。お客さんや社員からの案を広く取り入れて、のぼり旗以外の商品を作りたい。それによって当社の広島での認知度を高め、当社がのぼり旗を作っていることを、たくさんの人に知ってもらいたいですね。2つ目は次のステージを決めること。具体的には、売上高目標15億を達成することです。
―社長にとって働くとは?
 ずばり社員やお客さんを笑顔にすることです。相手の期待以上のものを提案したい。笑顔で「ありがとう」と言われることが一番うれしく、働く上での原動力になっています。難しい仕事であればあるほど、やり切ったときの達成感は大きい。社員全体が打ち解けることができるように社内イベントなどを行っています。若手社員に早めに仕事を任せ活躍の場をつくり、挑戦し成長できる環境づくりを大切にしています。互いに成長し、強いチームワークが作ることが社長としての大きな仕事の1つだと思いながら、働いています。
―学生へのメッセージをお願いします。
 実際にインターンシップなどで、その企業の社員さんと交流してみてください。とにかく、その企業に入りたいという熱意が大切。どの企業も元気、やる気のある若者を求めています。そして、ぜひ地元企業も就職先の選択肢に入れてほしい。広島を一緒に良くしていきましょう。 写真3

学生の声

・今回インタビューさせていただき、熊本社長の社員や顧客に対する強い思いを感じました。インタビューする前は、社長という立場の方は少し孤立しているイメージがありましたが、会話が進むにつれてそれはなくなりました。実はとても社員と近い存在であるものだと知ることができました。今回のインタビューは新たなことにチャレンジしていこうと思える良いきっかけになりました。(猪)
・熊本社長にインタビューをさせていだだき、社長自身が常に楽しく仕事をしていると感じました。印象に残った言葉は、「とにかく日常のことに興味を持ち細かく気を使い、どんなことでもポジティブに考えていく」という言葉です。熊本社長にインタビューできたことはとても貴重な体験になりました。(西岡)

会社概要

 1974年創業。のぼり旗の製造は年間200万枚で業界トップ。このほか、横断幕、懸垂幕、タペストリー・のれん、法被、マット、Tシャツ、のぼり用ポール、スタンドミニのぼり、各種宣伝物の製造・販売を手掛ける。 (2017年2月時点)