デザイン力で商品開発も
創業から障害者雇用に注力

新卒採用で次世代担う人材育成

　創業から半世紀以上、書籍制作・製本を中心とした印刷事業を主力に実績を積み重ねてきた。近年はウェブサイト制作、電子書籍、デジタルサイネージなど、さまざまな媒体で顧客の情報発信を支援。１２０以上の学校や、行政などと継続した取引があり、安定経営を続けている。
　商品開発・販売促進企画「安芸ん堂」では、折り鶴のアクセサリーやあぶらとり紙といった自社製品を販売し、デザイン力を印刷以外でも発揮する。ＳＤＧｓやエシカル消費に着目した商品開発にも注力し、自社の強みを生かして成長を続けている。

障害者雇用施設を運営 取り残さない社会づくり

　創業時から障害者雇用に積極的に取り組み、２０２３年には障害者雇用優良中小事業主認定（もにす認定）を受けた。就労継続支援Ｂ型事業所「ワークサポートひなた」では布製品印刷を通じた職業訓練を実施。24年には、制作したＴシャツが広島銀行グループ内のスポーツイベントでオリジナルウェアに採用された。関連団体の（社）東広島自立支援センター「あゆみ」が、東広島市と西区井口で就労継続支援Ａ型事業所を運営し、印刷関連業務を通じて知識と能力の向上に必要な訓練を提供。また同年、入居者同士が支え合いながら生活するためのグループホーム「ライフサポートあおい」を東広島市に開所し、地域住民と交流する機会を創出していく。宮﨑真社長は、「障害があっても働く意欲の強い人は多く、やりがいを持って仕事をしてくれている。創業者が残した『愛・信・恕(じょ)』の精神を胸に、誰一人取り残さない社会づくりを目指す」と語る。

働きがい創出で評価

　23年から、15年ぶりに新卒採用を再開した。社員が長く活躍できるように雇用環境を整備。世界的な働きがい調査機関ＧＰＴＷ社の「働きがい認定企業」をはじめ、県独自の「働き方改革実践企業」などに選ばれた。入社後は印刷営業だけでなく、若い感性を生かしさまざまな情報発信の企画提案を担当してもらう。28年までに5人程度を採用予定。10年計画で、次世代の中核を担う人材に育て上げる。

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