国内生産70万台を死守
地域経済への責任果たす
マツダ株式会社
走るほどにCO2減らす技術も
2025年度は米国のトランプ関税で大きな影響を受けた。国内で生産する自動車の大半を海外に輸出しており、さらに米国はマツダの世界販売のうち3分の1を占める最大市場。同年度の決算では関税だけで1549億円もの営業利益を失った。しかしコスト改善などに取り組んで黒字を確保したほか、毛籠勝弘社長が「地域経済・雇用の責任を果たすべく、死守する」と宣言した国内生産70万台も達成。マツダの動向は部品メーカーや物流業、販売会社といった幅広い業界に波及する。広島を代表する企業のトップとしての覚悟を示した。
新型CX―5発売
現在、最も注目を集める車種といえるのが3代目CX―5だ。12年に発売した初代は大ヒットを記録し、リーマンショックに端を発する記録的な円高からマツダを救った。以降、17年に全面改良した2代目を含めて全世界で500万台以上を売り、自他共に認める看板商品へと成長した。毛籠社長は、
「新型CX―5は当社の成長を担う存在。単なる主力車種ではなく、協業先やサプライヤーとの〝協創〟の成果が詰まっており、当社の収益モデルそのものを体現している」
と期待を込める。欧州や米国に続いて日本でも26年5月に発売。広島出身の俳優、綾瀬はるかさんをブランドアンバサダーに起用した戦略の効果もあり、1カ月で1万台以上を受注した。これは月間販売計画の5倍を超える実績だという。
「カーボンネガティブ」へ
カーボンニュートラル(CN)実現に向けた取り組みも大きなテーマとなる。マツダでは35年にグローバル自社工場、50年にはサプライチェーン(原材料の調達から製造、販売といった一連の流れ)全体でCN達成という目標を掲げている。
その一環で研究を続けるのが、車両に搭載するCO2の回収装置だ。排ガスに含まれるCO2を吸着してタンクに貯蔵し、カーボン素材などに利用するスキームを描く。まずはレース車両で実証実験を始め、実際に26年6月の大会では804㌘の回収に成功した。技術コンセプトとして「走るほどにCO2を減らす」を掲げ、排出をプラスマイナスゼロにするCNではなく、吸収量の方が多い状態の「カーボンネガティブ」を目指す。
最大の経営資源は「人」
マツダは「人」こそが最大の経営資源だと言い切る。例えば人材の確保では外部からの新規採用はもちろん、社内公募制度などを通じて社内リソースの活用にも注力する。
また23年に始めた組織風土変革活動「BLUEPRINT」は、25年時点で2万3000人を数える全従業員に展開を完了した。活動の目的は「現場が主役」の組織になること。そこにAI活用などデジタルの要素を組み合わせると、人とITが両輪となって会社全体が前に進んでいくという考え方だ。
「当社は規模で勝つ会社ではない。〝選ばれる理由〟で勝つ会社であるべき、と考えている」
と毛籠社長は語る。100年に一度とされる業界の大変革、そして先行きが見えづらい時代だからこそ「ひと中心」の開発哲学に基づきながら、独自の価値とブランドを磨き続ける。
会社概要
マツダ株式会社
本 社:安芸郡府中町新地3-1
設 立:1920年1月
資 本 金:2840億円
売 上 高:4兆9182億円(2026年3月期連結)
従業員数:4万7144人(連結)
事業内容:乗用車・トラックの製造、販売など
T E L:082-282-1111
U R L:https://www.mazda.co.jp
メール(採用のお問い合わせ):saiyo-k@mazda.co.jp
※2026年9月当時の情報です。




