カーボンニュートラル実現へ
EVやPHEVなど電動化加速
マツダ株式会社
新世代ラージ商品群第1弾CX‐60発売
先進安全技術と環境性能を備えた新世代ラージ商品群第1弾「CX‐60」を2022年9月に国内発売する。価格は約300~600万円台。400万円超の上級SUV市場へ初の投入車種となる。パワートレインを4種類用意し、3・3㍑直列6気筒ディーゼルに補助モーターを組み合わせたe‐スカイアクティブDから順次発売。縦置き方式のエンジンと後輪駆動ベースのAWD、アクセルの動きにダイレクトに反応するトルクコンバーターレス8速ATなど、高出力と操作性の良さを両立させる設計。安全性能では事故回避・被害低減を図る「ドライバー異常時対応システム」を初採用する。マツダのSUVでは走りと経済性からクリーンディーゼルを選ぶユーザーが多いが、プレミアムクラスに位置付ける、ガソリンと大型モーターの2・5㍑直列4気筒PHEV(プラグインハイブリッド)は300馬力を超える。同社は「デザイン・仕様を含め、ボリュームゾーンから高価格帯までカバーする。力強い走行性能と高い操縦安定性能で、走る歓び、自分で運転する楽しさを一層感じてもらえる」と意気込む。
自動車業界は100年に一度の変革期といわれ、CASE(自動運転や電動化、コネクテッドなどの総称)の技術対応が待ったなし。各国でカーボンニュートラルに向けた取り組みが進み、日本も30年代半ばにガソリンだけで走る車の販売をゼロにする方針を掲げる。
こうした中、マツダは30年に全車種の電動化技術搭載(内燃機関との併用含む)を目指す。既に「MX―30EV(電気自動車)モデル」、CX‐60のPHEVやマイルドハイブリッド(補助モーター)などを投入。25年までにEVで3モデルを商品化するほか、HV(ハイブリッド)と合わせて13 モデルを計画。マツダらしいクルマづくりや独自性を重視してロータリーエンジンを発電に活用したPHEVを投入し、EVは全て単独で開発する。国によって異なる電源事情や環境規制に合わせて多様な電動化技術を投入する方針だ。一方、バイオ燃料の普及を見越して内燃機関の効率化も進めていく。
コネクテッドの分野では「コ・パイロット(副操縦士)」と呼ぶ独自の仕組みを取り入れる。内部システムがドライバーの状態を常にモニタリングし、意識消失などを検知。車専用道の場合に路肩へ自動退避し、一般道では同一車線停車を行う。22年発売のラージ商品群から導入し、25年以降に一般道でも路肩退避に対応予定。いずれも自動で緊急通報する。同社は走る歓びを追求しており、コ・パイロットも人間の運転を補助する位置づけだ。
前期は増収増益
22 年3月期連結決算はグローバル販売台数が前年比3 % 減の125万1000台だったものの販売単価向上などが進み、売上高は8%増の3兆1203億円を計上。インセンティブ抑制や円安による為替差益もあり、営業利益は前年の88億円から1042億円へと回復。当期純利益816億円となり、前年の純損失317億円から黒字に転換した。
今期売上高は3兆8000億円、営業利益1200億円、純利益800億円を予想する。グローバル販売台数はラージ商品群やPHEVの投入効果などによって、134万9000台を見込む。
会社概要
マツダ株式会社
本 社:安芸郡府中町新地3-1
設 立:1920年1月
資 本 金:2840億円
売 上 高:3兆1203億円(2022年3月期連結)
従業員数:4万8750人(連結)
事業内容:乗用車・トラックの製造、販売など
T E L:082-282-1111
U R L:http://www.mazda.co.jp
※2022年8月当時の情報です。