ビジネスモデルを県内外展開
食で人と地域に貢献し続ける

ケータリングサービス件数過去最高

　１９９８年に創業。企業向けの宴会「ケータリングサービス」を主軸に、飲食店や総菜店のほか、仕出し事業などを手掛ける。川中英章社長は、「27歳で脱サラし起業するとき、人が集う場面に着目した。楽しいときや悲しいとき、食を通して人と人との絆が強まる場所を提供したい」との思いで創業。〝農園から食卓まで〟をビジネスコンセプトに、さまざまなチャネルで地域資源を生かす取り組みを続け島根にも進出した。

ケータリングサービス好調

　企業内の会議室や食堂を使った懇親会のニーズが高まっている。２０２４年４～６月は過去最多の１００件超に対応し、コロナ禍前の約３倍に増えた。社外で行う懇親会や式典などはパート社員中心に不参加になることも少なくないが、職場開催なら全員が参加しやすく、移動時間も省け、早く帰宅できるメリットがある。働く仲間との絆を強めたいという企業の要望に応え、半径１００㌔㍍の事業所に出向く。

農産物に付加価値

　11年以降、安佐南区沼田の吉山地域にレストランや農家の直売所などをオープン。地域の農業振興や活性化につなげているほか、地元の雇用も創出している。こうした活性化事業が評価され、20年には経済産業省「地域未来牽引企業」に選定された。吉山では地域の農産物を使った調味料などを商品化するなど、一次産業に付加価値を生み出せるビジネスモデルを過疎地域で展開。このノウハウを生かして21年に島根県へ進出した。食を通した地域活性化支援事業として、有福温泉の復活へ力を注ぐ。伊料理店を運営して、同温泉街の宿屋のセントラルキッチン機能や近隣の宿泊施設のフロント業務などを担う。

若手社員のチャレンジを奨励

　失敗は若い人の特権だと考え、チャレンジを後押し。１人が営業・サービス・間接部門などにさまざまな職種を経験する「１人３役」の働き方で、結婚や出産などのライフステージの変化の中でも希望通り長く勤められるキャリアステップを形成している。

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