創業初のB to C市場へ
食品の鮮度保持袋や防臭袋開発
三共ポリエチレン
食品用包装資材製造の三共ポリエチレン(廿日市市大東5-1、田中寛大社長)は、1956年の創業以来初の一般消費者向け市場に乗り出す。業務用で培ったノウハウを生かし、第1弾として食品ロス削減につながるマルチ鮮度保持袋「タモテール」を開発。2022年5月からECサイトのアマゾンで一般販売する。随時ラインアップの強化を図り、23年中に同事業関連の売上高1億円超を目指す。 21年4月に営業や品質保証部所属の4人が中心となり、一般消費者向け商品開発チームを発足。これまで受注生産が中心だったが、業界内で珍しくデザイン制作から製造販売まで手掛ける一貫体制を強みに市場開拓する。タモテールは特殊加工による抗菌・鮮度保持効果のある半透明の袋(縦45×横20、奥行き18㌢)で、野菜や果物、肉、魚、パン、スナック菓子など幅広い用途に合わせて常温、冷蔵、冷凍保存できるのが特徴。日本食品分析センター(東京)によるJISZ2801の抗菌性試験をクリアし、食品を長持ちさせる効果が期待できるという。商品化に際して料理関連のインフルエンサーらにアンケート調査を行い、ネーミングやデザイン、寸法を企画。21年10月にクラウドファンディングサービスのマクアケで10枚入り1200円で試験販売し、45日間で目標の約9倍の90万円を売り上げた。併せて赤ちゃんのおむつやペットのふん用の防臭袋「ニオワーヌ」を開発。アマゾンのほか、6月に東京で開催される加工食品の商談会で量販店などへの販路拡大を目指す。 同社は食料品を中心に日用雑貨や医療関連など、幅広い分野の包装資材を手掛け、県内トップクラスの売り上げを誇る。21年12月期売上高は前期比0.3%減の70億6400 万円を計上。従業員208人。