BMWなどの輸入車販売を主力に1000億円企業へ事業拡大
次の50年に向けIoT、観光へと多角化

　ＢＭＷ、ＭＩＮＩ、ハーレーダビッドソンなどの輸入車販売を主力に事業展開し、好調を続けている。グループでは飲食や不動産、物流コンサルティング、通販、旅行などの事業へも多角化。今後も新規出店や新事業を計画しており、継続成長を目指す。２０１８年12月期連結決算の売上高は前年比５･３％増の４９５億円と過去最高で、５００億円突破が目前に迫る。現在、ＩＴ関連の新規事業創出に向けて社内で「未来を考える会議」を実施し、事業構想を練っており、今後、１０００億円企業に向けて、さらに加速する。

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限りなくベストに近いベター

　社訓「限りなくベストに近いベター」を掲げ、「常に挑戦者であり続け、理想を目指す。バルコムグループは、そんな姿勢を個々に求めています。理想を目指すことで、自ら考え、自ら行動する力が育まれると考えています」と山坂社長。顧客満足を追求し、特にＢＭＷでは全国80社の正規ディーラーの中でも、過去に全国最優秀ディーラー賞を２回、全国優秀ディーラー賞を６回、顧客満足度も５年連続で全国１位を受賞。17年には英高級車メーカーのロールス・ロイスの取り扱いを始め、ＭＩＮＩを含め、ＢＭＷグループの全ブランドを扱うこととなった。そして、同年にＢＭＷからアジア・太平洋地域でトップディーラーとして表彰されるなど、高い実績を誇る。
　こうした実績を基に今後も積極出店を続ける。輸入４輪・２輪販売は、19年４月６日に県内３店目のハーレーダビッドソンを西区観音新町のマリーナホップ敷地内にオープン。新車18台、中古車15台、試乗車３台を置く。このほか、同年夏には南区宇品で輸入車の中古車センターを開設。福岡県でもＢＭＷの販売を伸ばしており、同年内に福岡市東区で新店を予定。さらに、ＢＭＷの２輪「モトラッド」の販売権を熊本県で取得しており、同年秋に新店を予定している。

総合サービス業への展開

　飲食事業は国内外で積極出店。海外ではシンガポールに焼き肉店の３号店を年内に出す。タイやオーストラリアなどに和牛を輸出する体制も整える。
　このほか、観光事業は、外国人向けカプセルホテルを中区本通にオープン。バルコムグループのお好み焼き店「弁兵衛」での、お好み焼き体験など、さまざまな体験型観光案内の機能も備える。一方で、富裕層向けには高級車での市内観光周遊や瀬戸内海クルーズを始め、北広島町と南区出汐に保有している建物を改装し、高級宿泊施設を開く。「今後開催される20年の東京オリンピック、25 年の大阪万博と世界的ビッグイベントが相次いで開かれます。多くの外国人に広島に足を伸ばしてもらうために県内外へ販促活動を展開していきます」
　２０１７年12月14日に創業50周年を迎えた同社。現在は広島ほか、岡山、山口、福岡、東京、中国、シンガポールに拠点を構え、発展を続けている。山坂社長は、「次の50年に向け、事業領域は農業、林業、漁業、スポーツ、観光へと広げ、さらにはＡＩ、ＩｏＴ、ＩＴ、ＳＮＳを取り入れ、拡大の構想を描いています。夢は売上高１０００億円。外部環境に左右されない「安定」をキーワードに、さらなる高みを目指します」

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